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第十三節 真滝村教育会
本会ハ、明治二十九年三月、狐禅寺小学校訓導・岩渕一郎外、滝沢・眞柴・三関ノ並ニ村長発起トナリ、地方教育ノ普及改良及其上進ヲ図ルヲ目的トシ、組織セラレタルモノナリ。
会員ハ本村内学事関係者及有志者ニシテ當時六十五名、漸次増加シテ百余名ニ達シ、会長ハ村長之ニ当リ、副会長・理事者等ノ役員ハ重ニ小学校教員、ソノ任ニ当レリ。
討議・協議事項ハ、本村教育上ノ実施問題ニシテ、本会ニ於テ可決シタルモ、必ズ実施ノ功ヲ有スルモノタリ。
當時尚、旧慣ノ存スルアリテ、父兄ハ就学ヲ忽ニスル傾向アリ。教育施設経営ノ何タルカヲ知ラザルモノアリ。教育費、予算其他、経営ノ緩急ヲ深ク脳裏ニ留メザル職員等アリ。カカル際ニ於テ本会ヲ組織シ、教員及村名誉職員ハ勿論、広ク一般有志ヲシテ本村教育ニ関シ実施セントスル事項アレバ、先ツ本会ニ提議・付議シ、会員一致以テ実施ノ任ニ当リタルヲ以テ、村民ハヨク其ノ旨趣ヲ知リ、些ノ誤解ヲ来スコト等ノコトナク、当局村民協力事ニ当リタルヲ以テ円満ナル教育ノ進歩ヲ来シタルハ、実ニ本会ノ功績ニシテ永ク沒スベカラザル所ナリ。
村ハ本会ノ有益ナル事業タルヲ認メ、年々、予算ヲ以テ拾円内外ノ補助ヲ交付セラレタリ。
第十四節 真滝村青年会
本村各部落ニ、諸種ノ名称ノ下ニ青年会組織セラレアリキ。其ノ創立ハ各部落ニヨリ異ルト雖モ、大概、明治二十年頃ヨリナリトス。
眞柴洗心会
明治十九年創設、演説・討議・談話ヲ主トス。後、責善会ト称ム。
吾妻青年会（狐禅寺）
明治三十三年創設、演説・討議・談話ヲナシ、基本財産造成トシテ植樹等ヲナス。
白崎有信会（三関）
明治二十八年創立、前項ノ外、貯金等ナス。
滝沢青年会
牧沢青年会
外ニ各学校於ケル同窓会、旧情ヲ温メ親交ヲ旨トス。以上青年会員年齢ハ、同窓会ニ出席スル者ハ其ノ校卒業生トシ、十六・七才迄ヲ普通トス。他ハ三十才前後ニ至ル迄会員トシテ出席シタルモノナリ。
明治四十年頃ヨリ、朝野共、青年会ノ必要・普及・発達ヲ唱導スルニ及ビ、本村ノ青年会ニ於テモ、其レゾレ事業ノ計画施設ヲナシ其成績稍々見ルベキモノアルニ至レリ。
然ルニ、以上列記スルガ如ク、各会各部落ニ割據シテ互ニ進歩発達ヲ図リ、其ノ成績ヲ競ヒ居ル姿ナルヲ以テ、一面ヨリ見ルトキ、其ノ発達上、好結果アリトモ、一村トシテ之レヲ見ルトキハ統一ヲ失シ、将来、一ノ自治体トシテ、面目カラ又結果ヲ来サンコトヲ憂ヒ、明治四十一年、之レガ併合統一ヲ図リシカ共、時期尚早ノ感アルヲ以テ、先ツ二連合会ヲ組織シ、総会会場ハ本村内各小学校トシ、順番ニ開会スルコトトシ、一方、村農会ト提携シテ農産品評会ヲ併セ開キ、諸種ノ設備ヲナシ来レリ。
大正三年ニ至リ、統一ノ時期熟シタルヲ見、二月代表者会（一会十名ヅツ）ヲ真滝村役場ニ開キ、在来ノ会ヲ解散シ真滝村青年会ヲ組織シ、村ノ地勢上ヨリ小学校通学区域ニヨリ三支会ヲ設ケ、風俗改善・補習教育・勧業其ノ他事業実施ノ便ヲ図ルコトトセリ。
而シテ一方、村農会ト関係ヲ密ニシ、事業計画ヲナシ、相提携シテ改善進歩ノ実ヲ挙グルコトニ努ム。
大正四年九月、内務大臣・文部大臣ノ青年団ニ関スル訓示発布アリタルヲ以テ、会則変更ヲナシ、岩手縣青年団連合会西磐井郡部会真滝村青年会ト改称シ、統一的組織全ク成ル。本会支会ノ設置事業其ノ他前記ノ如シ。
一、会 員 本村在住ノ青年小学校卒業ヨリ三十才迄ノ男子ヲ正会員トシ、外ニ賛助会員名誉会員アリ。
一、会 費 毎年予算ニ依リ徴収ス。
一、事 業 修養・補習教育・産業改善・親睦・体力養成錬磨
一、役 員 会長（村長）、副会長（選挙）、支会長（各学校）
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底本：「復刻 眞瀧村誌」
2003（平成15）年6月10日発行
発行者 眞瀧村誌復刻刊行委員会
代表 蜂谷艸平
2004年3月10日作成