−中山間地域等直接支払制度の継続的な実施− (農水省発表資料より転載)

1 趣旨


(1) 中山間地域等直接支払制度の実施により、3万4千の集落協定等が締結され、66万2千haの農用地において適切な農業生産活動等が継続されるとともに、耕作放棄の発生防止、多面的機能の確保が図られている。
(2) また、農業機械や施設の共同利用・共同作業化の進展など、総体として農業生産活動等の継続への動きも見られている。しかしながら、農作業受託組織の設立など自律的かつ継続的な農業生産活動等に向けた取組が一部の集落協定では行われるようになっているものの、全国レベルで見ると、将来にわたって継続できる見通しは描かれていない状況にある。
(3) このような状況を踏まえ、平成17年度以降においては、中山間地域等における多面的機能の維持・増進を一層図るため、自律的かつ継続的な農業生産活動等の体制整備に向けた前向きな取組等を推進するとの考えの下で、本制度を継続的に実施することとする。

2 事業の内容(次期対策のポイント)

(1) 将来に向けた前向きな農業生産活動等の推進
将来に向けて自律的かつ継続的な農業生産活動等を行う体制整備を図るため、
@ 集落協定において、集落の将来像を明確化し、その実現のための具体的な活動等を位置付け、実践するとともに、
A 従来の5年間の耕作放棄の発生防止等の活動に加え、農業生産活動等の体制整備に関する一定の要件を満たす協定と、当該要件を満たさない協定との間で交付単価に段階を設定することとし、併せて、
B 耕作放棄地の復旧や法人の設立等、より積極的な取組を行う協定には単価の加算措置を講じる。
(2) 集落協定間等の連携等の推進
集落協定活動の活発化や、自律的かつ継続的な農業生産活動等の体制整備に向けた取組を促すため、高齢化の著しい集落協定と担い手のいる集落協定との統合・連携、同一集落内に複数ある小規模な協定間の連携、地域内外の担い手等との連携等を推進する。

(3) 交付要件等の見直し

地域の主体的取組を一層活発化させるとの観点から、明確かつ客観的な基準の下で透明性を確保しつつ、交付要件や事務手続き等について以下の見直しを実施。
@ 農業後継者の住宅建設用地への転用の取扱い
A 田畑混在地における1haの団地要件の取扱い
B 限界的農地における林地化の推進
C 共同取組活動に配分される交付金の活用方法の明確化
D 中間年における共同取組活動の達成状況の点検等審査機能の充実

3 特記すべき事項

本制度は交付金交付の安定性や効率性を図る観点から、都道府県において造成されている資金を引き続き活用する。

4 対象地域及び対象農用地等

(1) 対象地域及び対象農用地(現行対策と同様)
@の地域振興立法等の指定地域のうち、Aの要件に該当する農用地区域内に存する1ha以上の一団の農用地

@ 対象地域
特定農山村法、山村振興法、過疎法、半島振興法、離島振興法、沖縄振興開発特別措置法、奄美群島振興開発特別措置法、小笠原諸島振興開発特別措置法の指定地域及び都道府県知事が指定する地域

A 対象農用地
ア急傾斜農用地(田1/20以上、畑、草地及び採草放牧地15度以上)
イ自然条件により小区画・不整形な田(大多数が30a未満で平均20a以下)
ウ草地比率の高い(70%以上)地域の草地
エ市町村長が必要と認めた農用地(緩傾斜農用地(田1/100以上1/20未満、畑、草地及び採草放牧地8度以上15度未満)、高齢化率・耕作放棄率の高い農地)
オ都道府県知事が定める基準に該当する農用地

(2) 対象行為
集落協定等に基づき、@集落の将来像を明確化した活動計画の下での5年間以上継続して行われる農業生産活動等、A一定の要件の下での農用地保全体制の整備(必須要件)や地域の実情に即した農業生産活動等の継続に向けた活動(選択的必須要件)の実施。

(3) 対象者(現行対策と同様)
集落協定又は個別協定に基づき、5年間以上継続して農業生産活動等を行う農業者等(第3セクター、生産組織等を含む。)

(4) 交付単価
地目区分10a当たり単価
田     急傾斜21,000円  緩傾斜8,000円
畑     急傾斜11,500円  緩傾斜3,500円
草地    急傾斜10,500円  緩傾斜3,000円 草地比率の高い草地1,500円
採草放牧地 急傾斜1,000円   緩傾斜300円


注1)(2)の対象行為においてAを実施しない場合には上記単価の8割の単価とする。
注2)以下の取組を実施する場合は、取組に応じて田で500円〜1,500円/10a、畑・草地で500円/10a等の上乗せを行う。
@ 担い手への農地利用集積を新たに一定割合以上行う場合
A 新規就農者や担い手が条件不利な農地を引き受けて規模拡大する場合
B 一定規模以上の耕作放棄地の復旧を行う場合
C 法人を設立する場合

5 事業実施主体等

(1) 事業実施期間:平成17年度〜平成21年度
(2) 事業実施主体:中山間地域等の市町村
(3) 補助率:定額
6 平成17年度予算概算決定額(平成16年度予算額)
21,800,000(16,800,000)千円

【担当課(室):農村振興局地域振興課(中山間地域振興室)】


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最終更新日

更新履歴 新規作成:Apr.1,2004
最終更新日:Jan.1,2006
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